ヒトリゴト 2012年12月

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闘病中だった父が、12月3日の早朝亡くなりました。三年前に生存率の宣告をされて以来、本人の不安や葛藤は計り知れないものだったと思います。何事もなければ通常の生活はできる状態でしたので、普段通り自宅で生活していましたが、症状の変化により入院。入院当初は元気な様子で、退院できるものと思っておりましたが、症状が悪化、それでも懸命に病と闘っていましたが、とうとう帰らぬ人となってしまいました。父の入院を受け、わたしも再度東京から金沢へ移り住み、仕事の後に病院へ行く生活を続けていました。大学から東京へ出てしまったわたしは、あまり娘らしいこともできず、三年前の宣告を機に金沢に戻って一緒に暮らしたりしたのですが、やっぱり、もっと一緒に居られたら良かったという思いでいます。一人娘ということもあり、たくさんの愛情をもらって育ちました。 美術と音楽を愛し、勉強家で博識な父を尊敬していました。病床で「お前が生まれてくれて良かったよ。とりあえず命のバトンは渡ったから…ありがとう」って言われたこと、亡くなる前日、半分朦朧とした中で、ずっと手を握っていたわたしのあたまを、子どもの時みたいに撫でてくれたこと、一生、忘れない。
病室で明け方まで寝ずにいて、疲れて少しだけ眠ってしまったわたしが、母に呼ばれて父の側へ行くと、呼吸がひどくゆっくりになっていました。二人で手を握って話しかけ続けましたが、一度、ふうっと息をひとつはき、もう一度小さく呼吸したあと、息をすることをやめてしまいました。ふうっと息をはいた時、身体から父の魂が出ていくのを感じました。その瞬間って、こんなにはっきりわかるものなんだ、ということを、生まれて初めて知りました。
生前の父の希望により、遺影はわたしが撮った写真を使いました。いい笑顔過ぎて、見ると泣いてしまいます。わたしは物心ついた時から自分が死ぬことがこわ くてこわくて仕方なかったけど、目の前で息をひきとる父の姿を見て、自分の死も受け入れられそうだと思えました。懸命に病気と闘って、自分の生を終えた父の姿、視てたから。わたしも自分の生をしっかり生きて、死にたいです。敬愛する父と母の娘、だもの。 2012.12.22


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by saida_kaori | 2012-12-22 23:59 | ヒトリゴト